2021/10/7

2022/04/01

旅行業登録の費用はどれくらい?手続費用と登録への6ステップを解説!

この記事の監修
時村 公之

行政書士つなぐ法務事務所 代表(特定行政書士/国内旅行業務取扱管理者)

時村 公之

1973年1月生まれ/広島県出身
旅行業・旅館業に特化した、中国・四国地方随一の観光法務専門の行政書士。
株式会社や個人事業主はもちろんのこと、観光協会やツーリズム機構などの一般社団法人の旅行業登録も手掛ける。
支援先企業も中国・四国地方を中心に、北陸・東海・関西・九州方面と、幅広いエリアで旅行業登録に関する支援を行っている。

「旅行会社を始めたいけど、いくらくらいかかるの」「そもそもどうやったら旅行会社が始められるの」というお悩みやご不安を抱えていらっしゃる方のために、旅行業登録を専門で取り扱う行政書士が、会社設立から旅行業登録までに必要な費用について丁寧に解説しました。

旅行業登録までの流れと、旅行業登録手続きにかかる費用に加え、旅行会社を法人で始めたいという方のために、株式会社の設立についても解説しました。是非参考にしてみてください。

1.旅行会社設立から旅行業登録までの6ステップ

旅行会社を法人で始める場合は、

(1)登録要件・登録種別・旅行業協会への入会を確認
(2)株式会社の設立
(3)旅行業協会への入会
(4)旅行業登録
(5)営業保証金または弁済業務保証金分担金の納付
(6)営業開始のための準備

という6つのステップをへて営業を開始します。

(1)~(6)について、それぞれ簡単に説明していきます。

1-1.登録種別・登録要件・旅行業協会への入会を検討

旅行会社を始めるためには、まず最初に、自分が取り扱いたい旅行商品やビジネスモデルが、

どの登録種別にあたるのか
登録にあたっての登録要件を満たしているのか
旅行業協会に入会するのか

という3つの項目を検討します。

 ①登録種別

旅行業と一口に言っても「海外のパッケージツアーを扱いたい」という方もいれば、「地域の隠れた魅力を紹介したい」という方もいます。

そこで旅行業法では、取り扱う旅行商品の業務の範囲に応じて、以下のように「第1種旅行業者」「第2種旅行業者」「第3種旅行業者」「地域限定旅行業者」「旅行業者代理業者」「旅行サービス手配業」という6つの区分を設けています。

区分 特徴
第1種旅行業者 募集型企画旅行や受注型企画旅行、手配旅行について、海外・国内を問わず全ての地域を扱える。
第2種旅行業者 募集型企画旅行については、国内のみ扱える。他は第1種と同じ。
第3種旅行業者 募集型企画旅行については、営業所が存する市町村および隣接市町村等のみ扱える。その他は第1種と同じ。
地域限定旅行業者 募集型企画旅行や受注型企画旅行、手配旅行について、営業所が存する市町村および隣接市町村等のみ扱える。
旅行業者代理業者 旅行業者を代理して旅行業務を取り扱える。
旅行サービス手配業 旅行業者に代わって、運送・宿泊サービス事業者の手配等ができる。

 そのため、旅行会社を始める際には、まず最初に自分が取り扱いたい旅行商品やビジネスモデルが、どの区分にあてはまるのかを確認して、登録種別を明らかにする必要があります。

登録種別の詳しい内容については、別の記事で解説します。

登録要件

どの登録種別で登録するのかが決まったら、次に登録するための要件を満たしているか、もしくは満たすためには何をしなければならないのかを確認します。

登録要件には、以下のようなものがあります。

①申請者や旅行業務取扱管理者が欠格事由に該当しないこと
②営業所ごとに1名以上の旅行業務取扱管理者を選任すること
③営業所として使用できる物件で営業所があること
④基準資産額を確保すること
⑤営業保証金または弁済業務保証金分担金を納付すること

特に「⑤基準資産額」と「⑥営業保証金または弁済業務保証金分担金」については、取り扱う旅行商品の業務範囲が広がるほど、その金額も大きくなってくるので、業務範囲を広げるためには、それだけの資金力も必要ということになります。

また、法人で旅行業登録を行う場合は、定款および法人登記簿の目的欄に、以下の記載が必要です。

目的
旅行業 「旅行業」または「旅行業法に基づく旅行業」
旅行業者代理業 「旅行業者代理業」または「旅行業法に基づく旅行業者代理業」
旅行サービス手配業 「旅行サービス手配業」または「旅行業法に基づく旅行サービス手配業」

登録要件の詳しい内容は、別の記事で解説します。

旅行業協会への入会

旅行業協会とは、旅行業法第41条に規定された協会で、主に「旅行業者等に対する苦情の解決」「旅行業務従事者等に対する研修」「調査、研究および広報」など、旅行業法第42条に規定される業務を取り扱っており、旅行業協会に入会すると、災害補償制度が利用できたり、協会が行う研修を受けられたり、広報を通じて業界の情報提供が受けられたりと、様々なサービスが受けられます。

現在は「一般社団法人日本旅行業協会(通称:JATA)」と「一般社団法人全国旅行業協会(通称:ANTA)」の2つの団体が指定を受けています。

旅行業協会に入会する最大のメリットは、旅行業協会の弁済業務保証金制度を利用できる点にあります。旅行業登録では登録時に営業保証金というお金を国に供託しなければならないのですが、旅行業協会に入会すると、営業保証金の1/5の金額を旅行業協会に納めることで、営業保証金の供託が免除されます(旅行業協会に納めるお金を「弁済業務保証金分担金」と言います。営業保証金や弁済業務保証金分担金の金額については、後段の「旅行業の登録にかかる費用について」で詳しく解説します)。

ただし、旅行業協会に入会するには、入会金や年会費が必要になるため、イニシャルコストやランニングコストを考えると入会にあまりメリットを感じないという登録種別もあります。

旅行業協会への入会は、あくまでも任意ですので、登録種別や登録要件と併せて、入会を検討してください。

1-2.株式会社の設立手続き

株式会社を設立するためには、①定款の認証を受けて(定款認証)、②法務局で登記(会社登記)を行います。

①定款の認証

定款とは、会社を運営していく上での基本的規則を定めたものです。その会社の商号(名称)や目的(事業内容)、本店所在地をはじめとして、株式や機関設計の内容、あるいは事業年度を何月から何月までにするかなどを定款のなかで規定します。

登録要件にある「基準資産額」を踏まえて、会社の資本金をいくらにするのかということも、定款の作成段階で決めていきます。

こうして作成した定款ですが、ただ作ればよいというものでは無く、設立しようとする会社の本店所在地を管轄する公証人役場で、正当な手続きにより定款が作成されたことを証明してもらわなければいけません。これを定款認証と言います。

以前は、定款を認証してもらう為には、公証人役場に出向く必要があったのですが、平成31329日よりテレビ電話による電子定款の認証制度がスタートし、この制度を利用する場合は公証役場に出向く必要が無くなりました。

なお、定款には、紙で作成された通常の定款とPDFファイルで作成された電子定款の2種類があります。後の項で解説しますが、電子定款の方が費用を安く抑えることができます。

定款認証が済んだら、資本金を払い込んで、次は法務局で会社登記を行います。

②法務局で登記

会社登記とは、商号(社名)や本社所在地、代表者の氏名と住所、事業の目的など、取引上で重要な会社に関する事項を法務省の部局である法務局に登録し、一般に開示できるようにすることを言います。

登記の申請は、本店所在地の管轄法務局にて行います。公証人役場で認証を受けた「定款」の他に「設立登記申請書」や「発起人決定書」等の必要な書類を法務局に提出します。書類に不備が無ければ、登記申請から710日程度で会社登記は完了します。

1-3.旅行業協会の入会申込手続き

会社を無事に設立できたら、いよいよ旅行業登録に向けて動き出すのですが、もし旅行業協会に入会を希望するのであれば、旅行業登録の申請手続きの前に、旅行業協会への入会を申し込みます。必要な書類は、JATAであれば東京本部に、ANTAであれば各都道府県支部に問い合わせて、入手します。

書類に記載する内容は、次にご案内する旅行業登録申請書の記載内容とかぶる項目も多いので、申請書と併せて作成すると良いでしょう。

また、ANTAの場合、入会する支部の会員の中から2社推薦が必要とされる場合が多いので、事前に推薦人を確保しておきましょう。

1-4.旅行業登録の新規登録申請手続き

旅行業登録に必要な書類は、これだけあります。

①登録申請書
②定款又は寄付行為(法人の場合)
③登記事項証明書(法人)または住民票(個人)
④役員の欠格事由に該当しない旨の宣誓書
⑤旅行業務に係る事業の計画
⑥旅行業務に係る組織の概要
⑦最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書及び資産負債の明細(法人)
⑧財産に関する調書及び資産負債の明細(個人)
⑨旅行業務取扱管理者専任一覧表
⑩旅行業務取扱管理者の合格証写し
⑪旅行業務取扱管理者の履歴書
⑫旅行業務取扱主任者の欠格事由に該当しない旨の宣誓書
⑬旅行業務取扱管理者の定期研修終了証の写し又は定期研修受講に係る誓約書
⑭事故処理体制についての書類
⑮旅行業約款
⑯旅行業協会の入会承諾書(協会に入会する場合のみ)

 一覧にすると「えっ、こんなにあるの?」と思われるかもしれませんが、取り寄せるだけのものもありますので、この全てを作成するわけではありません。

それでも、役所に提出する書類の作成というのは、慣れていない方にとっては、難易度の高い作業です。書類ひとつを取り寄せるのも、開業準備に追われながらだと、なかなかスムーズにいかないものです。

ですので、営業開始までのタイムスケジュールを作成する際は、書類作成の時間をしっかりと取ることをお勧めします。

もし、こうした書類作成に自信のない方や、開業までの時間があまりない方などは、旅行業を専門にしている行政書士に相談してみるというのも一つの方法です。手続きのことはもちろん、旅行会社を始めるまでの疑問や不安についても、相談にのってもらえますし、何より自身で手続きを行うよりも、事業をより早く始めることができます

申請書類が完成したら、書類を役所に提出するのですが、第1種旅行業登録と第2種・第3種・地域限定旅行業登録では、少し手順が異なります。

1種旅行業登録の場合、作成した申請書類を観光庁に仮申請します。その後、観光庁の審査と観光庁でのヒアリングを経たのちに、指摘を受けた個所について修正を加えたのち、営業所所在地を管轄する運輸局に本申請します。

2種・第3種・地域限定旅行業登録の場合は、書類の提出先は登録行政庁(具体的には営業所所在地の各都道府県の担当課)に提出します。自治体によっては、提出の際にヒアリングを行う自治体もあるので、その場合は庁舎に訪問します。

2種・第3種・地域限定旅行業登録については、自治体によって独自ルールが存在する場合もあるので、事前に問い合わせておくことをお勧めします。

申請書を提出してから登録通知書が発行されるまで、1か月程度かかります。とはいえ自治体によっては2ヶ月近くかかるとこともあれば、1週間程度で通知書が届く場合もあります。

また、行政の業務の繁閑によっても、この期間は前後します。

1-5.営業保証金または弁済業務保証金分担金の納付手続き

登録通知書が届いたら、受け取った日から14日以内に営業保証金または弁済業務保証金分担金の納付通知書の写しを、第1種であれば所轄運輸局に、第2種・第3種・地域限定であれば登録行政庁に届出なければなりません。

もし、この期間内に届出なければ、登録は無効になってしまいます。

旅行業協会に入会する場合は、弁済業務保証金分担金の納付と併せて、入会金や年会費の納付も同時に行います。

1-6.営業開始のための準備

これで旅行会社を始めるために必要な旅行業登録をすることができました。

しかし、旅行業登録だけでは、営業を開始することは出来ません。

旅行会社を始める為には、旅行業登録後に以下のものを用意します。

・「登録票」を作成し、営業所内に掲示する
・「旅行業約款」を営業所内に掲示もしくは備えおく
・「取扱料金表」を作成し、営業所内に掲示する
・「旅行業務取扱管理者証」を発行し、旅行業務取扱管理者に携帯させる
・「外務員証」を発行し、営業所外で旅行業務を取り扱う者に携帯させる
・取引条件説明書、契約書面など、営業に必要な書面を用意する

これらのものを準備すれば、いよいよ営業スタートです。

2.株式会社設立にかかる費用について

ここまで、会社設立から旅行業登録、そして営業開始までの手続きの流れを確認してきましたが、いよいよ会社設立から旅行業登録までにどれくらいの資金があればできるのかをご案内します。

株式会社設立にかかる費用には、(1)定款の作成にかかる費用と、(2)法人登記にかかる費用があります。

2-1.定款にかかる費用

・定款に貼る印紙代:40,000定款に貼る印紙代は、電子定款にすることで0円に
・定款認証手数料:50,000
・定款の謄本:約2,000円 ※1250円大体82,000円くらいです
・印鑑登録証明書:約300円 ※定款認証の際の添付書類として役員全員分必要

紙で作成した定款で定款認証を行う場合は、定款に印紙を貼らなければなりません。しかし、電子定款であれば、印紙を貼る必要がないため、印紙代を節約することができます。

定款の謄本とは、認証された定款内容をすべて写し取ったもののことです。会社登記の際に添付書類として必要になるので、定款認証の際に一緒に申請します。費用は1枚250円で、定款の平均的な枚数が8枚なので、大体2,000円くらいかかります。

2-2.登記にかかる費用

・登録免許税 150,000

その他、代表社印等の印鑑作成費用がかかります。1人で法人を立ち上げる場合、印鑑作成費用を除くと、定款認証から会社登記までで2425万円といったところでしょうか。

ところで、定款を電子定款で作成すると印紙代4万円を節約できるということをお伝えしましたが、電子定款を作成するためにはマイナンバーカードが必要で、これを読み込むためのICカードリーダーも必要になります。また、電子定款を作成するためにAdobeAcrobatというソフトを購入したり、PDF署名プラグインソフトや申請用総合ソフトを事前にインストールしておくなどの事前準備が必要で、手間と費用が意外とかかります。

ですので、定款認証は、電子定款の作成ができる専門家(司法書士や行政書士等)にお願いするといいかもしれません。定款の内容についても、抜け漏れや不備がないかなどをチェックしてもらえるので、会社設立後も安心です。

報酬額はピンキリですが、定款認証だけなら7万円前後、定款認証と法人登記で10万円前後が相場ではないかと思います。

3.旅行業の登録にかかる費用について

旅行業登録に係る費用には、(1)登録申請時に係る費用と、(2)営業保証金(または弁済業務保証金分担金)、があります。また、費用ではないのですが、(3)基準資産額というものもあります。

3-1.登録申請時に係る費用

・登録申請手数料

登録種別 登録申請手数料
1種旅行業 90,000
2種・第3種・地域限定旅行業 20,00025,000円程度
旅行業者代理業・旅行サービス手配業 15,00020,000円程度

第1種旅行業登録以外の登録申請手数料は、各自治体によって違いますので、ご注意ください。ちなみに、第2種・第3種・地域限定旅行業の東京都の手数料は90,000円です。

・申請の際に添付する書類の発行手数料などその他費用

登記簿謄本:600円 ※個人で申請する場合は、住民票(300円程度)
残高証明書:5001,000
※会社設立後、決算を迎えていない場合や、個人で申請する場合に添付が必要です。

3-2.営業保証金(または弁済業務保証金分担金)

営業保証金とは、旅行会社や旅行代理店などの旅行業者が倒産などの理由で債務不履行に陥った際に、旅行者(消費者)が受けた損害について一定の弁済ができるように、あらかじめ国に供託する金銭のことを言います。

一方で、国に直接供託するのではなく、旅行業協会を通じて国に供託を行う方法もあって、旅行業協会に納付する金銭のことを弁済業務保証金分担金と言います。

旅行業協会は、集めた弁済業務保証金分担金を弁済業務保証金として国に供託して、弁済業務保証金分担金を納付した旅行業者が債務不履行に陥った際に、その旅行業者と取引のあった旅行者に対して、弁済業務保証金の中から一定の弁済を行います。

弁済業務保証金分担金の額は、営業保証金の1/5なので、これが旅行業協会に入会する最大のメリットと言えます。

営業保証金・弁済業務保証金分担金は、登録種別ごとに前年の売り上げに応じて金額が設定されていますが、新規に旅行業登録を行う際は、以下の最低額を収めることになります。なお、旅行業者代理業および旅行サービス手配業には、営業保証金等の制度はありません。

登録種別 営業保証金 弁済業務保証金分担金
第一種旅行業 7,000万円 1,400万円
第二種旅行業 1,100万円 220万円
第三種旅行業 300万円 60万円
地域限定旅行業 15万円 3万円

さて、これだけ見ると旅行業協会に入会する方が断然お得なように感じるのですが、実は旅行業協会に入会するためには、入会金と年会費を支払わなければなりません。

JATAANTAのそれぞれの金額は以下のようになります。

登録種別 JATA ANTA
入会金 年会費 入会金 年会費
第一種旅行業 80万円 35万円 250260万円 510万円
第二種旅行業 95100万円
第三種旅行業 8590万円
地域限定旅行業 7075万円

 ANTAの金額に幅があるのは、都道府県によって支部や組合に支払う入会金や年会費が異なるためです。一方、JATAは東京に本部があるのみで、支部はありません。

こうしてみると、登録種別によっては「旅行業協会に入会するより、営業保証金を納付した方が費用を抑えられる」という場合もあるということが分かると思います。ですので、旅行業協会に入会するかどうかは、最初にしっかりと検討しておくとよいでしょう。

営業保証金と弁済業務保証金分担金については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
営業保証金を供託するってどうするの?制度の概要や必要な金額も詳しく解説
旅行業協会と弁済業務保証金分担金。営業保証金との違いも徹底解説!

3-3.基準資産額

出ていくお金ではないのですが、大切なことなので基準資産額についても触れておきましょう。

行政庁は、旅行業登録にあたり、申請者が事業を遂行するために必要な財務力(財産的基礎)をもっているかどうかを確認します。この必要な財務力を具体的な数値で表したものが『基準資産額』で、登録種別ごとに金額が定められています。

登録種別ごとの基準資産額は、以下の通りです。

登録種別 基準資産額
1種旅行業 3,000万円以上
2種旅行業 700万円以上
3種旅行業 300万円以上
地域限定旅行業 100万円以上

この基準資産額ですが、会社の資本金と同一のもの思われがちなのですが、実は違います。資本金は資産から負債を引いた残りの部分を言いますが、基準資産額は資産から負債や繰延資産・不良債権、営業保証金(または弁済業務保証金分担金)を引いたものを言います。

資 本 金 = 資産-負債-資本準備金-利益剰余金

基準資産 = 資産-負債-繰延資産-不良債権-営業権-営業保証金等

ですから、会社設立の際に基準資産額をそのまま資本金額にしてしまうと、基準資産額を満たしていないことになってしまいます。

基準資産額の詳しい内容は、こちらでご案内していますので、あわせてご確認下さい。
旅行業に必要な基準資産額の計算方法や足りない時の対処法を解説!

それでは、旅行業登録にかかる費用の合計を登録種別ごとに確認してみましょう。

・第1種旅行業登録でJATAに入会した場合、約1,524万円

・第2種旅行業登録でANTAに入会した場合、約330万円

・第3種旅行業登録でANTAに入会した場合、約160万円

・地域限定旅行業登録で旅行業協会に入会しない場合、約18万円

そして、上記の費用を準備するのとあわせて、基準資産額を満たすことも忘れてはいけません。

4.まとめ

旅行業登録にかかる費用と株式会社設立から旅行業登録までの6つのステップについて、詳しく解説してみましたが、いかがだったでしょうか。

それぞれの手続にかかる費用を解説しましたが、最後に旅行業を始めるために株式会社を設立して、旅行業登録を行う際に、最初に必要な金銭を合計すると、

登録等に必要な経費 基準資産額として、手元に必要な資産額 合計
第1種旅行業 約1,550万円 3,000万円以上 約4,550万円
第2種旅行業者 約355万円 700万円以上 約1,055万円
第3種旅行業者 約185万円 300万円以上 約485万円
地域限定旅行業 約43万円 100万円以上 約143万円

となります。

なお、この金額はあくまでも株式会社設立と旅行業登録の手続きにかかる費用ですので、これらの費用とは別に、事務所や回線の契約費用、事務機器の購入費用などの準備資金、それから少なくとも6ヶ月分ほどの運転資金が開業時には必要です。

旅行業登録に一番大切なことは、どんな旅行商品や旅行サービスを提供したいのかを明確にすることです。すると、どの旅行業登録を選べばいいのか、何を準備しなければいいのか(登録要件)が明らかになります。

そうなれば、あとはご案内したような手続きを進めていけば、必ず旅行会社を始めることができますよ。

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